「英国王のスピーチ」

土曜日のこと。
長女に「お父さん、"ジョージ6世"って知ってる?と質問された。
「確かエリザベス女王のお父さんだろ?知ってるよ。でもなんで?」。
「いま"英国王のスピーチ"っていう映画やっているんだ。面白そうだから見に行こかなと思って」。

そういう映画があるとは知らなかった。
「どんな映画なの?」と尋ねてみると。
「演説が苦手なジョージ6世が人前で演説することになって、その演説の練習をするっていう映画らしいよ。テレビで紹介していた。」
「へぇ~。なんだか聞いたことある設定だね」

というのも、以前「我が教え子ヒトラー」という映画を娘と観たことがある。
負け戦で意気消沈し、人前での演説すら難しくなっていたヒトラーに対し、自信を取り戻させ、再び壇上に立たせるというトレーニングを行う羽目になったあるユダヤ人の物語だ。これが実に面白い映画で、娘も大層気に入っていた

この映画も面白そうだ。
調べてみると「英国王のスピーチ」は上大岡のTOHOシネマズでやっているようだ。
「だったら、今日お父さんは車で会社行くから、途中で降ろしてあげるよ」。

車中、僕は娘にジョージ6世について、自分が知っていることを教えた。
本来兄貴が国王だったのだけど(エドワード8世)、元来自由奔放な性格で、人妻であるシンプソン夫人と恋におちて結局退位したこと。
おかげで即位する羽目になった弟のジョージ6世は、なりたくもなくて王位についた上、第二次世界大戦をイギリス国王として戦うことになり、そのプレッシャーの結果、若くして亡くなったこと。
一方兄貴のエドワード8世はずっと長生きした。昭和天皇とは皇太子時代から晩年まで交流があったこと。ヒトラーとも交流があったこと。
ジョージ6世の奥さんも、とても長生きして、数年前に100歳を越えて亡くなったこと。
彼女はエドワード8世のことを自分の旦那を若死にさせた元凶としてとても嫌っていた、ということ。
まあとにかく英国王室の歴史っていうのは面白いよ。日本の皇室だってこのぐらいじゃないとね、という話をした。

そして、miokaの前で娘を降ろした。

後で感想を聞いてみると、「うん、面白かった!エドワード出てきた」とのこと。それだけじゃさっぱりわからない。

そして日曜日、娘に言われた。
「お父さん、"英国王のスピーチ"がアカデミー賞4部門受賞だって!いやぁ混む前に行ってよかったぁ~」。

娘よ、せいぜい人生を楽しめ。