ガラス部屋のワタチ

ママのおなかの中はいごこちもよくてシアワセだったのに、とつぜん明るい世界にほおりだされたワタチです。

ママはどこなの?こんなガラス張りの部屋はいやだよ~と泣いていると、いつもママが来てくれて、ワタチをだきあげてくれます。
あんちんあんちん。

ふとガラスのむこうをみると、
デレーっとした顔でいつまでもいつまでもワタチをながめているヒゲ面の人がいる。
他の人のことなんてお構いなしに、その場をどかずにワタチだけをずーっと眺めている。
「わたしがパパでちゅよ~」って言っている。
「この中で一番の美人だぁ~」と言ったかと思えば、
「早く退院してだっこさせろ~」なんて叫んでいる。
この声、ママのおなかの中でいつも聞いていた声だ~
なんかウザいけど、悪い人じゃなさそうです。

そうしたら今度は「わたしがおばあちゃんでちゅよ~」という人があらわれました。
「まぁ~かわいらしいお姫さまだこと!」と言ったかと思えば、
「あなたの栄養には〇〇と〇〇とで〇〇しなさい」とか、熱くママに語っている。
「栄養指導と調乳指導ならば、私に任せておいてね!」とか言っている。
ママは「はいはい」って聞いている。

そうしてたら、今度はもう一人ヒゲ面のオッサンがあらわれました。
「こんにちは、ママのところのしゃちょうさんでちゅよ~」なんて言っている。
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カメラをいじくっては、
「ぼうえんレンズじゃなきゃむりだぁ~」とか、
「おいこっちむいてくれ~」とか、なんか一人で勝手に熱くなっている。
なんかこのオッサンの声もママのお腹の中で聞き覚えがあるんだけど、いつ聞いたんだろう?
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ワタチのまわりは熱い人たちだらけのようです。
だけど、とりあえず面白そうだから、いいや。

だって、ママがいつでも冷静だもん。