東日本大震災直後、あちこちに貼られた張り紙の記録 [2]

東日本大震災直後、あちこちに貼られた張り紙の記録 [1] の続き

【自販機】
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(コカ・コーラ「弊社製品ご愛飲者の皆様へ」 4/8)
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(同上 4/25)
2枚目の画像は、何を撮ろうとしたのかよくわからない。今になって思えば全てのランプが「売切」となっているコーラの自販機を撮影しておくべきだった。コカコーラは東北にあった主要工場が被災、関東では一気に品薄になってしまった。
日本は自販機大国でいつでもどこでも飲みたいものが飲める。そんな当たり前のように思っていたことが当たり前ではないということを、痛感したのがこの地震だった。
実は以前にもこういう体験をしたことがある。1988年に上海へ旅行に行った時のことだった。喉が渇いても水道水なんて飲むのは自殺行為だった。コカコーラのようなドリンク飲料を飲むには外資系のホテルの売店まで行って買うしかなかった。あの時ぐらい「日本はいい国だ」と思ったことはない。
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(サントリー・フーズ「お詫び」 4/15)
ヌッキー竜さんは「月明り」という曲の中で、節電によって明るさを失った街では月明りが美しいということを歌っていた。まったくこの時ぐらい、数多くの自販機が消灯したことで、街の光景がこんなにも変わるものなのかと思ったことはなかった。
ジャパンビバレッジ
(ジャパンビバレッジ「お客様各位」 4/18)
そんな暗闇の中で撮影したからだろうか。このベンダー系自販機の画像はブレブレだ。
よくよく解読すると、加熱性の商品は停電などによる温度変化によって風味が変化してしまうために、時期は早いが販売を終了する旨が書かれている。
JT
(JTの自販機? 4/3)
自販機?いやお店の張り紙だったかもしれない。もの凄いシンプルなメッセージ。

【節電】
オーヴァル
(株式会社オーヴァル「東北地方太平洋沖地震に伴う節電の実施」 4/8)
「東日本大震災」は「東北地方太平洋沖地震」に起因する一連の余震と津波災害の総称となる。誰が最初に使ったかと?誰かがそれを定めたのか?というのはわからないけど、むしろ地震直後に同時多発的に広がっていった「通称」ではなかったかと思う。僕自身は会社のお知らせとして3月14日に「こんな時だからこそ歌おう -東日本大震災に際して- 」というのを書いている。この際「東北地方太平洋沖地震」「東北大地震」「東日本大震災」のどれを使用するかで一瞬考え込んだのを覚えている。長い目でみれば「東日本大震災」という表記が一番残るだろうと思ってそれを選んだのだった。実際この時期は企業によって表記はバラバラだったと記憶している。

これは上大岡を中心に「赤い風船」などオフィスビルの展開をしている株式会社オーヴァルさんの張り紙。どこで撮影したのかさっぱり覚えていないのだけど、まさかこの2年後に「第10オーヴァルビル」に会社を移転し大家さんになるなんてことは、想像だにしていなかった頃の撮影だ。
地下駐車場ぴぽ320「輪番停電に際して」
(地下駐車場ぴぽ320「輪番停電に際して」 4/10)
横須賀の公共駐車場「ぴぽ320」で撮影。地下駐車場が一瞬で暗黒の世界になることを想像しただけで怖い。

節電といえば、僕の教室では震災以降使用を控えてしまったものとしてロビーのテレビがある。それ以前は音楽映像などをガンガン流していたのだけど、あれ以来オーディオにiPodを接続して音楽を流すことがほとんどとなってしまった。おかげで消費電力は減ったし(実際2011年3月以降、一時的に消費電力は半減した)、機器の持ちも俄然良くなった。

【渡辺謙】
NTTドコモ「計画停電による通信サービスへの影響に関するお知らせ」と渡辺謙
(NTTドコモ「計画停電による通信サービスへの影響に関するお知らせ」と渡辺謙 4/4)
俳優の渡辺謙さんは、震災直後に「kizuna311」という国内外のクリエイターたちによる応援支援プロジェクトと立ち上げている。早くも3月15日には自ら朗読した宮沢賢治の「雨ニモマケズ」と英語のメッセージ動画を、YoutubeにUPしている。


(渡辺謙「雨ニモマケズ」朗読 3/15)

生粋の東北人だった母方の祖母はこの詩が好きだった。この詩が掲載された新聞の切り抜きを部屋の壁に貼っていたこともあった。
この詩は東北の人間にしかわらからない「何か」を持っているのだと、僕は思っている。渡辺さんの朗読を聞いていると、そんな祖母のことを思い出す。

【横浜市長】
定例記者会見での地震に関する市長コメント
(定例記者会見での地震に関する市長コメント 4/4)
何となく横浜あたりでは物不足も解消され、事態が鎮静化してきた後に出された市長コメント。

【駅】
節電のための夏の特別ダイヤ
(節電のための夏の特別ダイヤ 8/3)
普段電車に乗る生活をしていないためか、震災後半年近く過ぎてからこういうのが新鮮に感じて撮影したのだろう。
日中時間帯でも
(「洋光台駅のホームでは」 8/3)
きっとクレームが入ったんだろうな。洋光台の地下ホームは通常でも薄暗いのだから仕方ない。震災当時「節電だ!」「不謹慎だ!」とことさらに騒ぎ立てる人たちを見て思ったことがある。戦時中に「非国民だ!」と言った人たちと、思考のアルゴリズムが似ているんじゃないか?と。こういう人に限って戦争が終われば「我々は軍部に騙されていた」とか言うんだよね(;^ω^)
なぜ洋光台のお知らせを本郷台駅長がしているのだろうと思ったら、「本郷台駅管理の業務委託駅(Wikiより)」なんだそうだ。知らなかったなぁ。

【名称の錯綜】
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(餃子工房「東北大地震の影響して」 4/10)
先ほど書いた「表記がバラバラだった」という話の続き。
これは「東北大地震」と表記した例。
東北関東大震災義援金のお取り扱いについて
(湘南信用金庫「東北関東大震災義援金のお取り扱いについて」 3/30)
「東北関東大震災」と表記した例。
ハイブリッド販売
(ハイブリッド販売「東日本大震災に関して」 3/29)
東日本大震災」と「東北地方太平洋沖地震」とをハイブリッド表記(?)した例。
これらの画像は、専門用語ではなく「最も単純でシンプルな言葉」だけが残ってゆくことを、今になって教えてくれる例といえる。

【住宅支援】
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(ウスイハウジング上大岡店「東日本大震災に際する代替住宅の支援について」 4/8)
当時、多くの仲介業者さんがこういう対応をしたのだろう。印象に残ったので撮影。

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