ポニカロード 初のストリート・ライブ at 上大岡赤い風船

僕の経営しているミューズポートボーカル教室には様々な生徒さんが来ます。
圧倒的に多いのは(90%ぐらいか)「カラオケを上手くなりたい」という一般の生徒さん(しかもやたらと世代の幅が広い)ですが、一方で演歌歌手、V系ロックボーカリスト、シンガーソングライター、アカペラグループ、ジャズシンガー、沖縄民謡、メタル君….様々な方が来られます。CDの雇われ店長だった時代からそうなんですが、今なお様々なジャンルの音楽を体験できるというのは人生をちょっとだけ得した気がします。何よりもそういう状況を面白がっている自分がいます。
ポニカロード
(ポニカロード)
そんな中で「アイドル」というくくりでみると、12年の歴史の中ではAKBに行った倉持明日香ちゃんを筆頭に、ゆかちゃんとさりーの二人組『Over*』、教室限定アイドル『さぉ☆こじ』、『まだデビューして間もないので、もう少し自信がつくまで内緒にして下さいと言う子』などがいますが、馬車道初横浜アイドル『ポニカロード』の3人も、そんな生徒さんのひとり…いや3人なわけです。そう、先日横浜オーサイトで初のワンマンを成功させたばかりですね。
ポニカロード 入船あん
(ポニカロード 入船あん)

さてさて、いきなり話は飛びますが、僕の仕事のひとつは、彼女(彼)たち….もちろんプロ・アマ・一般の方関係なく….全ての生徒さんから「これこれこういうことをしてみたい」という希望をを受けて、どんなことができるか一緒に考えてあげるというものです。答が出る時もあれば出ないときだったあります。いや出ない時の方が多いでしょう。こういうのってこちらから「あれしようよ」とか「これしようよ」とか提案するのは難しく、逆に「希望」を言って頂く方が考えやすいし動きやすいわけです。

先日、ポニカのリーダーである入船あんちゃんと、そんな話になった時、あんちゃんがボソっと言いました。

「(私たち)ストリートライブをやってみたいんですよね。関内駅前は(取り締まりが)厳しいし….」。

あっそうか、この子たちは野外ステージは多いけど、ストリートって経験がないんだ。
それならばいい場所を知っているぞ。そう思ったのです。

「あんちゃん、今から時間に余裕ある?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ行こう。いい所を紹介できるよ」
ポニカロード 住吉かのん
(ポニカロード 住吉かのん)

連れていったのは、上大岡では最も歴史のあるエンタテイメント施設「赤い風船」事務所でした。
以前、生徒さんや音楽仲間などで上大岡駅前でストリートライブをやっていたことあります。やがてその場所を追い出されて、その流れで何度もお世話になったのが「赤い風船」さんでした。そして2013年の教室移転を機に、奇しくも「赤い風船」さんの経営母体である株式会社オーヴァルさんは、我々の大家さんになったのでした(だから教室のあるビルは『第10オーヴァルビル』です)
太田あかり
(ポニカロード 太田あかり)
しかも機材だってあるんです。一年前に「いつか使うだろう」と、YAMAHAの「STAGEPASS 600i」を購入しました。これと以前から持っていたRoland「BA-330」の合わせ技を使えば充分です。ずっと「箪笥の肥やし」になっていましたが、ようやく使うチャンスが訪れたわけです。

あんちゃんを連れて行った僕は、事情を説明してお願いしたら、快くOKを頂くことができました。
早速のポニカたちの事務所(株式会社ドミトリームエンタテイメント)の川本社長に連絡して、予定を調整して頂きました。

そして昨日4月2日、彼女たちにとって初のストリートライブが行われたのです。場所は赤い風船のユニクロ側広場。
前日からの雨も止んで、やや曇り空ながら次第に気温が高くなってゆく中での2ステージでした。
ポニカロード 上大岡 赤い風船
今まで野外コンサートは何度も経験している彼女たちですが、何しろストリートは初めて。
ボーダレスなステージ空間というのも初めてだし、ファンに限らず通行するすべての人にアピールをしてゆかなければいけない。
そういうことも初めての経験だったわけです。

一生懸命声掛けをしながら、歌い、踊る。もちろんまだまだ課題もありますが、空気を自分の方に寄せようとするポテンシャルの高さは「さすが様々なステージを踏んできただけあるな」と思いました。

なお、PAを担当して頂いた川本社長は「STAGEPASS 600i」のシンプルながら手堅い操作に「これはいい」と大満足でした。
こういうイベントの時、川本社長はiPhoneやiPod音源を使うんですが、実はこのマシンUSB入力端子がひとつあって、電源を供給しながらデジタル高音質で音を鳴らしてくれるんです。
ポニカロード
「こういうことをしてみたい」。
意外とそれを意思表示できる人って少ないんですよね。あっ、僕が聞き上手じゃないからかな(笑)

もちろん「地球を征服したい」とか、「単独犬ぞりで南極点に到達したい」とか言われても無理です。こちとら神様でも天使でもなければ悪魔でもない一般人です。だけど言わなきゃ始まらないこと、言ってみないとわからないことだってあるわけです。ちなみに、僕から「こういうことをしてみたい」と誰かに言う事なんて日常茶飯事です。

話は脱線しますがタレントの太川陽介はアイドル時代が終わって仕事がなくなった時に「仕事下さい、マジで」とラジオで訴えたんだそうです。そうしたら思った以上に仕事がやってきて、そのお蔭で「ローカル路線バスの旅」という冠番組を得ることができました。ダメモトで言ってみるもんなんですね。

今回はメンバーの「こういうことをしてみたい」から始まったイベントでした。たまたま運よく「縁」と「環境」が揃っており、メンバーの気持ちが一緒だったために、一気にグーッと動いたんだと思います。

今回のイベントによって、回を重ねるごとにポニカは今までにないステージでぐんぐん成長してゆくと思うし、どんどん輪も広がってゆくと思います。それはまたお手伝いする人間にしてみれば、面白くてたまらないわけです。

最後に応援に駆けつけて下さったファンの皆さんにも、川本社長にも、赤い風船さんにも感謝です!