山中湖パノラマ台からだと、太陽はどう沈むのか

こんにちは。近しい友人の間で「道マニア」で通っている管理人です。

先日、友人からLINEで「三国峠って行ったことがありますか?」と質問が来た。
なんでも好きなドラマで、ロケ地に使われていたそうだ。そこから昇る朝日がとても美しかったとか。

「三国峠」というのは、それこそ全国に何十か所もあるのだけど、パッと思いついたのは群馬県と新潟県県境の「三国峠」だったので、至って普通に「ありますよ、真冬はこんなトコロです」と返答し、画像を送った。
三国峠
でもよく考えると、ここは険しい山々に囲まれているから、朝日を楽しめる雰囲気ではない。

そう思っていたら「ドラマでは富士山が見えていました」とのこと。
聞いてみるとそのドラマは「ナオミとカナコ」で、DVDも持っているらしい。
「ちょっとドラマのそのシーンを写メって送って下さい」と言ったら、これが送られてきた。

ああ、ここならわかる。

R246で神奈川県から静岡県に入った所にある小山町から山中湖へ抜ける道。
夏の渋滞シーズンなどに山中湖への抜け道として使うのだけど、小山町から峠までは恐ろしいほどの急坂だ。
非力な車だったらアップアップしてしまう。そんな峠だ。

峠を越えてやや下った所に、山中湖と富士山が望める場所がある。
正しくは「山中湖パノラマ台」と呼ぶそうだが、ここからだと富士山はこんな風に見える。送ってもらった画像とそっくりだ。
明神峠 富士山
(2013年1月3日15時42分撮影)

私はこの峠の事をひとくくりに「明神峠」と呼ぶのだとばかり思っていたのだけど、正確には「明神峠」と「三国峠」なんだそうだ。
急坂を登って静岡と神奈川県境になるのが明神峠、そこから1kmちょっとで今度は神奈川と山梨県境になるのだけど、そこは「三国峠」なんだとか。
確かに地図では二つの尾根を越えている。
そのうち「山中湖パノラマ台」は「三国峠」を越えてやや下った所にあることになる。

さあ、これでロケ地も特定できたしめでたしめでたしなのだけど疑問点が出てくる。
私はそのドラマを見ていないので、何とも言えないが、友人は「朝日が美しかった」と言っている。

山中湖パノラマ台からだと富士山は西側....正確には西南に見える。
天才バカボンでもない限り、富士山の方角から朝日が昇るわけがない。
友人の言を信じるならば「夕陽を朝日にした」というのが正しいことになる。

あともうひとつ気づいた事がある。
友人から送られてきた画像では、山中湖パノラマ台から見ると、富士山の左側に夕陽が沈もうとしている。
私が撮影した画像でも同様だ。

(2013年1月3日15時55分撮影)

そこで友人に「そのロケは冬ではないですか?」と尋ねてみたら、
「(番組が放映されたのが)2月です」と返事が来ました。
後で調べたらこのシーンは2月4日のオンエアだったようだ。

さて、高校の頃に地学で習ったこと。

太陽は春分(3月21日頃)と秋分(9月22日頃)には真東から昇り、真西に沈む。
夏至(6月21日頃)の時には真東を基準として一番北よりから昇り、真西を基準として一番北よりに沈む。
冬至(12月21日頃)の時にはこれと逆。真東を基準として一番南よりから昇り、真東を基準として一番南よりに沈む。

この画像では両方とも富士山の左手、つまり南側(静岡側)に沈んでいるのがわかる。
あえて言えば、友人の画像に比べると、私の画像の方が富士山の稜線の低い所へ沈みように見える。
つまりやや南よりに太陽は沈もうとしている。

そこで、段々面白くなってきた私は、何か日没位置を特定できるサイトがないかと調べてみたところ....
そのものズバリ「日の出日の入時刻方角マップ」というサイトを発見した。
いやぁ、インターネットには本当に何でもある。

このサイトを使って「山中湖パノラマ台からだと、太陽はどう沈むのか」というのをみてみよう。

【夏至の日(6月21日)の日没】
夏至の日(6月21日)の日没
夏至の日は「真西を基準として一番北よりに沈む」。
パノラマ台からみると太陽は富士山の右側(北側)に沈むわけだが、その北限は西湖と河口湖の中間付近だということがわかる。

【春分の日(9月22日)の日没】

太陽は真東から昇って真西へと沈むことがわかる。

【11月3日の日没】

この頃、パノラマ台からみると、太陽はほぼ富士山頂の真上を沈んでゆくように見える。
東京では11月3日が年間を通して晴れの日が多い「特異日」だ。
だからといって富士山付近が快晴とは限らないのだけど、この時期にパノラマ台に行けば山頂直下に沈む富士山が鮮やかに拝めるのかもしれない。

【冬至の日(12月21日)の日没】

太陽は最も南よりに沈む日。ちょうど富士宮口の五合目付近に陽が落ちてゆくようだ。

【1月2日の日没】

ちょうど私がパノラマ台から撮影した日。前の画像よりやや北よりに日没。

【1月14日の日没】

連続ドラマというものは撮影から放映までだいたい3週間程度と言われている。
実際にはギリギリまで撮影にもつれこんで相当危ない橋を渡るのだそうだが、「ナオミとカナコ」が2月4日のオンエアだとすれば、だいたいこの時期に撮影したのでは?と考えてみた。
知人の画像の日没位置に近いのではないか。

【2月9日の日没】

再び太陽は富士山頂上付近直下に沈む。

つまり11月4日~2月8日までの間に山中湖パノラマ台から見ると、「富士山は頂上より左側に沈む」ということが判明した。

さて、この「ナオミとカナコ」というドラマについて調べてみた。
何とこの富士山のシーンは広末涼子と内田有紀が殺害した内田の旦那を埋めるシーンで登場するんだそうだ。
そんな凄いシーンで富士山が美しいと感じる知人も知人だが(笑)。
本当にこれが朝日だったとしたら?撮影場所が山中湖パノラマ台ではなかったとしたら?そもそもこの山は富士山なのか?

そのことも考えてみよう。

知人から送られた画像には、かなり理想的なコニーデ型(円錐型)の山と、その右麓に湖あるいは海らしきものが見える。
そして朝日が昇るのが左手だ。はたしてこんな風景が見れる場所があるのか?

実はこれが至難の業だった。
先ほどの「日の出日の入時刻方角マップ」を使って、夏至、春分、冬至のどの時期に設定しても、国内の山を探しても、一致する場所がなかったのだ(実際、試してみるといい)。

一番それらしかったのは....
桜島
(夏至の時期に鹿児島市から桜島方面)
もうひとつはこれ。
尾張富士
(夏至の時期に尾張富士と入鹿池)

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