「イソゴのアリスと仲間たち」 at 磯子公会堂

まあ、そんなわけで磯子公会堂で上演した「イソゴのアリスと仲間たち」が無事終了しました。
イソゴのアリスと仲間たち at 磯子公会堂
スタッフの皆様、出演者の皆様本当にありがとうございました。とても楽しい時間を過ごせました。
最後は盛り上がれてよかったと思います。あのまま皆でゾロゾロ楽器を鳴らしながら公会堂を出て、区役所を出て、磯子駅まで行ってしまったら、きっとわけがわからなくて面白かったでしょうね。

私はオヤジバンドのメンバーとして出演させて頂きました。
「イソゴのアリス」オヤジバンド軍団
(健闘するオヤジバンド軍団)

子供の頃の学芸会などを別にすれば、朗読劇というのは初めての経験でした。最初は「まあ基本は台本を読めばいいんだろう」程度の短絡思考回路でイメージを描いていたのですが、やってみてその深みを垣間見るようになってきました。たとえば何か重いものを持ち上げる演技をする際、実際に何かを持ちあげながら「よっこらせっ」と言うのと、立って台本を読みながら「よっこらせっ」と朗読するのと、どちらが難しいかは一目瞭然ですよね。まさにそんな感じの世界でした。

最初の台本あわせの際、僕は監修の野村道子さんに、
「どこか悪いところがあったら、遠慮なくおっしゃって下さい」と尋ねてみたのです。
野村さんは「いえいえぜんぜん大丈夫ですよ」とニコリとされるばかり。
よおく考えたら、モノゴトというものは良い点があるから、悪い点があるわけです。
きっと僕のセリフは良い点がないから悪い点の指摘のしようがない。きっとそうに違いない(笑)なんて余計な妄想を膨らまていました。そんな中で、あれこれ考えているうちに、気づいたことが二つあります。

1:台本は自分以外のパートも全部読んでくるようにする
2:本番ではなるべく台本を読まず、相手に語りかけるようにする

「当たり前だろ、馬鹿野郎」といわれそうですね(笑)。

最後の方のシーンで、オヤジバンドのメンバーたちが、「なぎさちゃん」にかきおきのメモを残すシーンがあります。
そのメモを読み上げる「声」の役を僕が担当することになりました。

ところが台本を読めば読むほど、前後の脈絡を考えれば考えるほど、このちょっとしたセリフがとんでもなく難しいことに次第に気づいてきたのです。ここにはオヤジバンドのメンバーたちの「優しさ」が無茶苦茶詰まっているわけですからね。

台本読み合わせの最初の頃、僕はこのメモを、文字通り「メモを読み上げる」口調で読んでいました。それが「難しい」ということに気づいたあたりから、「なぎさちゃん」に直接語りかける口調に変えてみたのです。こういう変化をすることに大きなアドバイスをくれたのは、実は僕自身が連れてきた二人の生徒さん(ノジミちゃんとアズサちゃん)でした。二人とも声優を夢見る子たちで、ノゾミちゃんにいたっては実際にそういう専門学校に通っているのです。

それだけではありません。
実際の読み合わせの段階から、「なぎさちゃん」役の声優さん(堀内咲希さん=賢プロダクションのプロの声優さん)の顔を見て、目を見ながら、直接語りかけるようにするようにしてみたのです。堀内さんが流石はプロの声優さんだなと思ったのは、そうした僕の語りかけに対して、小さく「うんうん」とうなずいてくれるんですよね。あれは演技しやすかったです。

また、そのセリフの後に、音響効果が入るため、何秒かの余韻が必要だということに気づきました、ですからセリフの最後をわざとゆっくりと話すことで、余韻につないでゆこうと思うようになりました。

そんな中で演出と脚本を担当されている井上次男さんから、
「オヤジバンドに皆さん、どんどん演技が良くなってますよ」と言われたのは嬉しかったですよ!

まあ、こんな風にやっているウチに気づいたことがあります。
語り方を工夫するとか、相手を見て語ろうとか、あえて余韻を持たせるとかっていうのは、いつもバンドの演奏でとーるさんやBOOSUKEさんとやっていることと一緒なんですよね。ここはどんな風にビートを刻もうか?、ソロの受け渡しはどう合図しようか、エンディングのキメ....表現手段こそ違うけど、本質的には似ているのですね。
うーむ奥が深いなぁ~。
イソゴのアリス
(いそっぴとアリス役の夕奈ちゃん。この子の演技は本当に素晴らしかったと思う)

さてさて「演劇」という名の井戸の前を通りかかり、そこから覗き込んでしまったというのが今回の体験でした。その井戸はあまりにも深くて、この井戸の底まで降りてゆこうとすることなど、とうていできそうにもありません。でも、その物凄い深さがなんとなくわかっただけでも貴重な体験だったと思います。

そして何よりも、プロの声優さんや、素人とは思えないぐらいクオリティの高い出演者の方々、こんな素敵な方々と競演させて頂いて、本当に恐縮しております。
公会堂の入口で
(最後に記念写真)

「イソゴのアリスと仲間たち(2009/9/27 at 磯子公会堂)」
【スタッフ】
監修:野村道子
脚本・演出・映像:井上次男
キャラクターデザイン:ヤナキヒロシ
音楽:永田平八
照明:石井高彦
音響:堀越陽一
製作:磯子区民文化センター杉田劇場
(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団・有限会社アイコニクス)

【出演】
堀内咲希さん(賢プロダクション)=なぎさ
ふしだ里穂さん(賢プロダクション)=海人
●金田夕奈ちゃん=アリス
●そのほか磯子区の大勢の方々

コメント

  1. hitomi より:

    お疲れさまでした!
    乙女ちゃんたちも参加でしたし、見に行きたかったのですが
    うかがえずすみません(T T)
    DVDなどは撮ってるんでしょうか、あれば楽しみにしています♪
    2日間お疲れさまでした!!

  2. spiduction66 より:

    >hitomiさん
    乙女ちゃんたち、思っていた以上に活躍していましたよ。
    セリフもあったし、最後は歌もありました。
    DVDは確認していませんが、おそらく誰か撮影しているんじゃないかと。

  3. boosuke より:

    昨日はお疲れ様でした。こんなに深いところで「読む」ことにこだわっていたとは思いませんでした。何をやるにも真剣に取り組む姿勢の姿のむねちゃんに感動しました。実は僕も「なぎさ」ちゃん役の堀内咲希さんにこそっとアドバイスをしてもらいました。声優を目指したことがある僕にとってはあまりの奥深さに戸惑ってばかりでした。良い経験をさせてもらいました。宗ちゃんはじめスタッフの皆さん、出演者の皆さんには感謝ですね。演出脚本の井上さんが言ってました。次は「オヤジバンドのミュージカルをやるぞ」と。

  4. あいむ より:

    先週からずっと楽しみにしてたのに、3時過ぎぐらいまで仕事が入ってしまったので行けませんでした(;_;)トホホ
    次回もすぐありますか?

  5. spiduction66 より:

    >boosukeさん
    昨日はお疲れ様でした。
    本当に貴重な経験をさせてもらいました。ホント、すべての仲間、すべての共演者に感謝感激ですね。それと、ありがたいお言葉が大変嬉しかったです。だけどあれこれ悩んだ割には全然演技に反映されていないんですよね~(涙)。ミュージカルなんて恐れ多いですよ。

    >あいむ
    あらら、それは残念!仕事では仕方ないね~
    「アリス」の今後の予定は聞いていませんが、去年からちょうど一回り(1年)になるから、もうないかもしれません。

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