ヌッキー&James at Little Wing

こんなことを思う。
僕は日ごろ色々な方々の音楽表現のお手伝いさせて頂いているわけだけど。その表現方法は実に多種多様だ。200人の音楽表現をどこまで個別にお手伝いできるかということをいつも考えながら、やもすれば包括的になってしまっている自分を感じずにはいられない。ただこれだけは言える。その人が「純粋に音楽的」なオーラを出しているときには、自然と他方面からも「良い音楽」を呼びこんでくる。良い音楽を呼び込んで膨れ上がってゆく。いっぽう「純粋に音楽的でない」場合には....なかなか良い音楽が呼び込みにくい。それをどうして差し上げるかというのが、いつも課題だったりする。

ニャンコ先生、とーるさん、マッキーさん、喉、オチダトモという思いもかけない面子が日の出町のLittle Wingに集まってきた。そのままライブができてしまうような面子だ。純粋に音楽的なライブに引き寄せられるかのように、集まってきた。
今日は「ヌッキー&James」のライブ。Jacaranda他のビートルズ・トリビュートバンドでPaul役を担当しているJamesさんと、PepperlandでJohn役を担当するヌッキー@リュウちゃんによるビートルズのカバーを中心としたフォークデュオだ。活動範囲は広くて広島、大阪、札幌まで行ってしまう。
この二人のステージを見たのは関内のLazy Boneだったから、実に2年ぶり、ということになる。

1部はヌッキー&Jamesでビートルズナンバー。
2部がJamesさん単独でPaulのソロ曲を中心。
3部がヌッキー単独でJohn…と思いきやナガブチ中心
4部が再びヌッキー&Jamesでビートルズナンバー
という構成だった。

Jamesさんというのは年齢不詳のとてもクールな人で、言葉数少なくプレイしてゆく。
声質がPaul McCartneyに似ているし、高音の伸びが美しい。

ヌッキー@リュウちゃんは1部で「今日はナガブチやりませんから」みたいなことを言っていたのだけど、3部の冒頭でJohnの「マイ・ラブ」をやったかと思いきや、残りはすべてナガブチナンバーだった。Losebeat以来のファンの方がいて、この方からはいつも「え~ナガブチなのぉ~」と言われるわけなのだけど、それでもやってしまう。
でも今日のナガブチはもの凄くキレがあった。何とかって曲のスリーフィンガーのギタープレイはかっこよかったし、「東京青春朝焼物語」と「巡恋歌」は、あまりにも全力投球で投げてきたので、その球が内角をえぐるように突き刺さった。なんだか今日はいつもと違った。

このあたりにリュウちゃんの「今」がある。
たしかにビートルズナンバーやった方が盛り上がるし、受けはいいし、何よりもみんな一緒に歌える。だけどどうしても自分の中にビートルズという殻を作って、その中でプレイすることになってしまう。どうしても習字の楷書のお手本をなぞった感じになってしまう。安心ではあるけど刺激的ではない。
いっぽうナガブチはどうだ?個人的にはまだ好き嫌いな部分が多いけど、あまり原曲を知らないだけに、リュウちゃんというフィルターを通して表現される音には壮絶な迫力があって惹きつけられる。ライブとしてきちんと完結している。
ただJohn Lennon「God」とかはリュウちゃん風に味付けしてプレイすれば...ナガブチの内部爆発する曲とぜんぜん遜色ないと思うのだけど。

ギャラリーの方にさっきからステージにチャチャを入れて漫才になっている人がいる。
ああこの人は昔よく戸部のBlue Jay時代に来ていた人だ。リュウちゃんの高校時代の恩師だと聞いている。あんまりステージにチャチャを入れるもんだから「静かにして下さい!」とリュウちゃんに言われている。そう、昔と立場が逆になっている。
この方の踊りがまた凄い!あんな凄い踊りは1969年のウッドストック以来だった。

ライブ終了後、フリーライブ大会みたいになって、喉、とーるさん、ニャンコ先生、ウッドストック先生という感じで観客が順番に出演(?)して、歌いまくっていた。以前からリュウちゃんはニャンコ先生にウッドストック先生を紹介したかったそうで、こんな風にしてまた音楽の輪が広がった。

いやあ楽しい夜だったなぁ~

先週は演歌の世界で旅をして、今週はThe Beatlesの世界で旅をした。今日はこれから大塚まで吉野ユーヤ君と佐藤とーるさんのプログレッシブ・バンド「大気開放!!」に行ってくる。来週月曜日にはビジュアル系バンド「某」の都内某所でのライブ(興味のある人、参加者募集=hitomiさん、Noriちゃん他2名参加予定)が待っている。
3月21日(日)は戸部のBlue Jayでウッドストック先生の主催でThe Pepperlandのライブ。翌日22日(月)は僕のバンドThe C’darsの7th Avenueでのライブがある。

こうなれば行くとこまで行くしかないだろう(笑)。