いろいろな通信簿

第一の通信簿。
昨日、娘が小学校から貰ってきた通信簿。
親としては、ホッとしない瞬間。
できる科目、できない科目の偏差具合がオヤジそっくり.....

第二の通信簿。

本日、会計事務所さんから頂戴しました。
僕にとっちゃ唯一の目に見える通信簿。
「お前にしちゃあ、よくやっている方じゃないか」と書かれている。
「税金ちょうだいね」とも書かれている。

第三の通信簿。
本日9回目の誕生日を迎えた次女。
何とか無事にここまで育てあげてきた。
元気な娘のニタッとした笑顔が通信簿。
でもマダマダ先は長いし、安心はできない。
子供って結局は「親の通信簿」だと思う。
手を抜けば、その分ツケが跳ね返ってくる。
むろん、逆の例もあるから難しい。

第四の通信簿。
高校1年生の時からほぼ3年間通ってくれたツルちゃんが、お父さんの仕事の関係でいよいよロンドンへ。
そして今日がその最後のレッスンだった。
僕が知っている音楽を彼に伝え、彼が知っている音楽を教えてもらい、そんな風にして過ぎていった3年間だった。
最後にツルちゃんが言った。
「僕はこの教室に来たお陰で音楽に目覚め、将来音楽ビジネス(音楽系企業への就職)で仕事をしてゆこうと決められました。ありがとうございます」
とても嬉しい言葉だった。

「人の人生を変えてやろう」なんておこがましい気持ちは僕にはない。だけど、この仕事をやっていて終始一貫して貫いてきたことがある。ここにいる人たちが音楽を通して「人生のある部分」を軽くしてくれたらいいな、ということだった。これには色々な意味あいがあるのだけど、ツルちゃんはそんな中で確実に目標を定め、そこに人生のベクトルを向け、そこに向かって羽ばたこうとしている。
だからツルちゃんの言葉は、ここで働く人間として冥利に尽きる通信簿だった。

目に見えない通信簿、
目に見える通信簿、
気付いた通信簿、
気付かない通信簿、

そういうものに、人間は囲まれて暮らしている。