“迷惑メールを「削除」してはいけない”わけではない

WEBサイトの管理者としては迷惑メールと格闘しているわけだけど、先日「迷惑メール」とググって、こんな記事に遭遇した。

「迷惑メールを「削除」してはいけない」

みれば日経BP社のnikkei BP net。れっきとしたビジネスマンの情報ポータルサイトである。しかもgoogleにおける「迷惑メール」の掲載順位でこれが3位(現時点)に出てくる。

迷惑メールなんてものはさっさと完全にこの世から削除して、二度とお目にかからないようにするに越したことはない。WEBサイト管理者は誰もがこの作業のために膨大な労力と時間を割かれている。

「迷惑メールを「削除」してはいけない」なんて、どういう趣旨で記事を書いたのかを読んでみる。

執筆者の趣旨はこうである。
①世の中には「受信トレイ」を未処理メールの保管場所として使い、処理を済ませたら「削除」して、「削除ずみアイテム」を処理済メールの保管庫として使う人がいる。
②いっぽう迷惑メールの処理だが、Outlook2007/2003 SP2やWindows Mailの場合、到着したアヤシイメールは定義ファイルによる自動振り分け機能や、手動によって「迷惑メールフォルダ」に振り分けられる。
③だが、「迷惑メールフォルダ」の中身を「削除」して、(処理済のメールとともに)「削除ずみアイテム」フォルダに移動してはいけない。
④なぜなら仕事上、過去のメールが必要になったとき①のような人は「削除ずみアイテム」内のメールを探すことになるわけだ。「迷惑メールフォルダ」内であればHTMLメールは非表示だから安全だけど、「削除ずみアイテム」内ではHTMLメールは表示されてしまう。その際にうっかりスパムメールを開いてしまい、リンク先などをクリックした場合、ヘンなサイトに連れてゆかれたりする恐れがあるからだ。
⑤だから迷惑メール(フォルダ内のメール)を「削除」してはいけない。
⑥なお「迷惑メールフォルダ」内のメールは、Shift+削除で「削除ずみアイテム」を経由することなしに、完全に削除できる。

うーむ、趣旨はわかったけど、何てまわりくどい論法なんだろう。それにタイトルにも語弊がありすぎる。
①普通、受信メールはメールボックスにフォルダを作って(ex.”処理済案件””前向き検討中””後ろ向き検討中””無視案件”などといった具合...僕の例ではない)、そこに整理するのが一般的ではないだろうか。
当該記事をみると、処理メールの保管先を「削除ずみアイテム」にしているような人が全体の20%いることになっている。だがこれは恣意的な質問で、あまり参考にならない。
②メーラーは何もOutlookだけではない。最近どんだけOutlookが進化したのかは知らないけど、セキュリティポリシー上、他のメーラーを標準使用している企業は多い。
③右クリックで「迷惑メールフォルダを空にする」を実行すればいい話だ。
④そういう方がいるなら、正しい整理術を啓発する文章を書けばいい話だ。
⑤「世の中には”一方通行”の標識が理解できないドライバーがいる、そういう人は逆走するから衝突の危険性がある。だから世の中の人は車を運転してはいけない”」と言っているのと一緒ではないか。
⑥だから右クリックで「迷惑メールフォルダ空にする」だってば。

nikkei BP netに関しては、僕も配信メールを読むことがある。だけど、忙しい時は斜め読みしかできない。同じような人は多いはずだ。
なるほど、このセンセーショナルかつ挑発的なタイトルにより、検索3位に入るのならば、執筆者の目論見は成功したといえるだろう。しかしビジネスマン向けコンテンツとして考えると、このタイトルとこの内容は、不適切であり誤解を招きかねない。
今頃、日本のどこかで迷惑メールを削除もできずに、迷惑メールフォルダに未読メールがぎっちり、なんてことになっている方が、いるに違いない。

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