某ライブ at 某

“Acoustic Style 2008 (以下AS2008と略す)"の2次会の席上、リュウちゃんと「最近、年のせいか"あれ"とか"これ"とか、指示語で離すことが増えたよね」という笑い話をしていた。
「例の"あれ"どうなった?」
「"あれ"が多分"こう"なって"ああ"なるから大丈夫でしょう」みたいにね。

それじゃあ、これはどうだ?

AS2008の翌28日は、都内某所で行われた「某」が「Vo」を担当している「某」のライブへと行ってきた。

何でこんなに「某」づくしかって言うと、「某」のバンドはいわゆる「V系(ビジュアル系)」。プライベートは一切秘密だ。普段の素顔、普段の生活、普段どこで「Vo」を習っているかなんて誰も知らないし、知られちゃいけない。そうデビルマンなのだ。

だから一切このblogではその一切を書けない。

同行者はhitomiセンセ、昨日のギターのF君、そして昨日のしょっぱなに登場した"あき"ちゃんの3名。
10代1名、20代2名、40代1名という年齢構成。
というどこから見ても人間関係不詳のご一行なので、仮にその人物設定をこうしてみた。

「娘がビジュアル系のライブに行くので、心配したお父さんが一緒に付いていった」

もちろん、音楽好きのお父さんは「ビジュアル系」のバンドのライブなんて初体験だ。逆にこれを見てしまえば、他に見てないジャンルはないぞぐらいの意気込みで(実際には結構ある)参加している。
娘は初めてのビジュアル系バンドのライブ体験にドキドキワクワクだ。
それじゃあ後の20代2名は何かって言うと「田舎から上京してきた従兄弟たち」ってことにしておこう。
いきなり東京の核(コア)な文化にドキドキワクワクってことに....

そんなわけで、前夜ににわかに結成された親戚ご一行は、一路都内某所へと向かった。
平日ということもあり、都内は大渋滞、うる覚えの記憶だけで何とかたどり着く。

ライブ会場へ行って驚いたのは、観客が全て10代の女子高生だったということ。
観客をかきわけて会場の中央に行ってみたけど、場違いなことはなはだしい。

こういう時は心の中でこう思うしかない。
「君たちは"なんだコイツ"と思っているだろうけど….俺はこれでも君たちが幼稚園~小学生ぐらいの時、仕事がらPIERROTもDir en greyもDIE IN CRIESもPENICILLINもMALICE MIZERもLa’cryma ChristiもFANATIC◇CRISISもJanne Da Arcも陰陽座もCASCADEも聞いてきたんだぜ。ただその違いがサッパリわからなかったけどね」。

やがて「某」のステージが始まった。
「Vo」を担当する「某」は、完全にステージを支配し、ファンの女の子を挑発する。
普段教室で見る「某」もカッコいいが、ここでの「某」は全く別の次元の高みにいる存在だった。
サウンド的にはマイナーコードの多いハードロック、ビジュアルはビジュアル系、そしてしぐさにはパンク・ロックの匂いもした。これはどのバンドにも言えるのだろう。

僕がサウンドをうんぬん言うよりも、"あき"ちゃんの評価の方がが的確だ。
「メロディアスでありながら、シャウトするワイルドさもあって、そこが良かった」
“あき"ちゃんはたちまちファンになってしまった。

もうひとつ言うと、ファンの女の子たちが興味深かった。僕が想像していたのは、ゴシック・ロリータみたいなファッションに身を包んだ怖い化粧の女の子たちだったのだが、意外や意外、そういう子はあまりいなくて、みんな普通の私服の女の子だった。中には学校の制服の子もいたぐらいだ。

そういう子たちが、バンドの演奏にあわせて、様々な動きをする。
髪を振り乱すしぐさ、手を上に挙げて洗濯物を物干し竿にかけるようなしぐさ、拳をつきあげるしぐさ、ステージ前の柵の上に半身を乗り出して「さかあがり」寸前まで体をゆらすしぐさ.....みんな曲のどの部分でやるかが決まっている。しかも余計な動きがない。演奏中ずっと体をゆらしてリズムを刻んでいるよりも、こっちの方が余程疲れないだろうなと、そんなことを思った。あと、不思議なことに、彼女たちは曲が終わっても、一切拍手をしなかった。これがこの世界の掟らしい。

ステージ終了後、会場の外で「某」と立ち話をする。
“あき"ちゃんはサインまで貰って大喜びだった。

お父さんとしては、たまにはこんな子供へのサービスもいいだろう。

さて「某」ばかりで何も書けなかった今日のblogだが、これだけは事実だ。

この日の夕焼けは、今まで見たこともないぐらい、美しかった。