日吉NAPの竹原ピストル

リュウちゃんに竹原ピストルのライブを誘われたのは2ヶ月も前だった。
「絶対いいですよ!」と言うので野狐禅時代の映像をチラ見したら、なかなか良さそうだ。
7月20日に日吉NAPで行われるのだという。
それじゃあ行きましょうということになった。

ところが7月20日の朝の段階で、台風6号が首都圏を直撃する勢いで迫っていた。
こうなると責任上、教室を出ることは不可能だ。
仕方なく今日は行けそうにない旨をリュウちゃんにメールして了解を得る。
日吉NAPにも予約キャンセルの電話を入れた。

ところがどっこい。お昼になってから台風は次第に進路をはずれて南へ南へと移動しだした。
17時30分の段階で風雨もだいぶ落ち着いてきた。
そこでリュウちゃんに電話して、やはり行きましょうということになった。
内心「まさか洞爺丸台風みたいに成長して戻ってこないだろうな」と思ったが、18時時点でわずかに晴れ間と夕焼けが見えてきていた。
大急ぎで「生徒&先生避難用」に用意していた車に乗って、日吉へと向かった。

そんな天の配慮もあったりして、彼の音楽を聞くことができた。
そう、音楽と出会うのはいつでも天の配慮なんだろう。

彼の音楽は「詩」そのものだった。
音楽を聞くというよりかは、詩を聞くのに近い。

怒涛のように言葉が沢山飛び出してきて、そこにギターが乗っかっている。
普段サウンド重視で聞いてしまう僕のような人間にとっては、逆にいい経験になったと思う。

一曲目「カウント・テン」のトーキングブルースを聞いた印象は友部正人の「乾杯」が好きなのかな?と思ったのだけど、歌詞やMCでは、ブルーハーツ、The Clash、中島みゆき、Bob Marleyなど色々なものが飛び出してきていた。

実にいい言葉を持ってくる人だな、と思った。思った言葉に何の装飾もほどこさずにストレートに発してくる。
だからこそ、その言葉ひとつひとつが真っ正直で心に響いてきた。
理屈ではない。直感のひらめきによる美しさがこの人の言葉にはあるな、と思った。

後でリュウちゃんに尋ねたら、そもそもリュウちゃんも竹原ピストルを「ナガブチ仲間」から教えてもらったんだそうだ。
曲もYoutubeでしか聞いていないし、顔もよく知らないことでは一緒のようなもんだった。
「いい加減なオッサンたちだなぁ」とお互い笑いあった。
でもいい加減なオッサンたちは、妙に嗅覚が鋭いオッサンたちでもある。
今日ここに来たのは、正解だったと思っている。

あとは余談。
日吉NAPの隣に古書店がある。
前回ここで掘り出し物の本を見つけたので、今日も帰りに覗いてみた。
前回は気づかなかったけど、今回は中古CDの売場に気づいた。
覗いたら驚いた。普通の中古CDショップでは見かけない珍しいものがてんこもりだった。

今日の収穫
Roger McGuinn “Peace On You (1974)"
Roger McGuinn “Roger McGuinn & Band (1975)"
Roger McGuinn “Thunderbyrd (1977)"
Roger McGuinn “Back From Rio (1991)"
Roger McGuinn “Tresures from the Folk Den (2001)"
The Byrds解散後のRoger McGuinn(管理人は以前、楽器フェアで彼からサインをもらったことがある)の「マイナーな」ソロ5タイトル。これに今持っている3タイトルで彼のソロはほぼコンプリートできたことになる。普通はこういうお店にはなかなか出回らないものばかりだった。
この5タイトルが「あんたが来るのを待っていたぞ」と言わんばかりに並んでいたのだった。

そう、音楽と出会うのはいつでも天の配慮なんだ。