ぐんまのやぼうに協力する

僕の大学時代の友人で、群馬県庁の観光振興セクションで働いているヤツがいる。
仮に名前を「J君」としておく。Jは上毛(じょうもう)のJだ。
J君の仕事は群馬の知名度を高めて観光客を呼び込むこと。そのために日々広報活動を行っている。

J君は会うと必ず「群馬に旅行に来てぇ~さぁ~。今度は同期会を一泊二日で群馬でやろうさぁ~」と群馬の言葉で言ってくる。
どうしても群馬に観光で来てほしいようだ。

なにしろ群馬県には観光地への通過点という印象が否めない。軽井沢(長野)への通過点だったり、越後湯沢(新潟県)スキー場への通過点だったりする。
おかげで群馬県は「地域ブランド調査2011」で44位という悲惨な結果に終わってしまった。
そんな群馬のブランド力を上昇させるという「ぐんまのやぼう」がJ君には課せられているわけだ。
四万温泉 積善館
(四万温泉の積善館。建物は登録文化財に指定されている)

他人事のように書いているけど、僕は群馬へ何度旅行に行ったかわからない。群馬県人の友人が多い。
群馬は首都圏から比較的近いにもかかわらずローカルな雰囲気が味わえる。それに温泉地がケタ外れに多いので、温泉宿に困らない。
草津四万温泉はもちろんのこと、霧積温泉なんていうコアな所にも行っているし、ダイナミックな自然に包まれた谷川岳だって行っている。
そもそも横浜で公立中学生だった人なら「横浜市少年自然の家赤城林間学園」に宿泊した人は多いはずだ。
霧積温泉 金湯館の紅葉
(霧積温泉 金湯館の紅葉。森村誠一「人間の証明」の舞台となった)

それだけではない。
ふと思い出してみると、群馬のことは何度もblogで紹介していた。
富岡製糸場」(2011)
八ッ場ダム」(2009)
碓氷峠鉄道文化むら」(2008)
天明三年、浅間山大変記 ~鎌原村土石流~」(2007)

とりわけ「天明三年、浅間山大変記」の記事は、いつの間にやら北軽井沢(群馬県)の観光サイトで紹介されているうえ、いまだに僕のblogではアクセス数ベスト10に入り続けている。

(吾妻渓谷の紅葉)

旅には2つのスタイルがあって、観光地をまわりまくる旅もあれば行った先でボケーっとする旅もある。
満員電車に揺られて都会で働きつづける日々、衝動的に旅に出たくなることもあるだろう。
そんな旅先ではつかの間の時間でも、ゆっくりと時を過ごしたくなるの違いない。
首都圏に近いのに、後者の旅ができる群馬は絶好の「ヒーリング県」だと思う。
土合駅の階段
(上越線土合駅の462段階段)
中之条町 伊参スタジオ公園
(映画「月とキャベツ」のロケ地となった中之条町「伊参スタジオ公園」撮影資料展示室。少女ヒバナが来ていた服も展示されている)

さて、先日のサークルOB会でJ君と飲んだ。
僕は彼にiPhoneアプリ「ぐんまのやぼう」を見せた。
ぐんまのやぼう」とは、群馬の農産物「ねぎ」「こんにゃく」「キャベツ」の収穫で資金をためて他県を制圧するアプリだ(その後、バージョンアップして世界や宇宙も制圧できるようになった)。

(「ぐんまのやぼう」。せめてバナー広告で群馬の宣伝をしたらいいと思う)

「お~これね!新聞で読んだよ」と興味深く操作を始める彼。
他県を制圧させたり、各自治体のシルエットを当てるミニゲームなどで遊ばせてあげた。
県の観光担当が「ぐんまのやぼう」をプレイする。なかなか見ることのできない光景ではあったと思う。

「他県を制圧」というゲームの内容から、県がこのゲームとタイアップするかどうかは謎だ。
それをするかしないかは、意外とJ君の双肩にかかっているのかもしれない。
僕は「ぐんまのやぼう」で群馬県の知名度が上がってくれたらいいなと思っている。
横浜市歌」並みの地域限定ネタである「上毛かるた」を万人に知らしめる日は近いかもしれない。
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【ぐんまのやぼう攻略法】
1:横浜方面から関越自動車道にアプローチする場合
第三京浜から環八を利用するのが普通だけど、大渋滞が苦痛。
谷原まで2時間を要する場合もある。一番手っ取り早いのは環七を使うことだ。
第三京浜の玉川ICから数百メートル南下して、目黒通り→環七→目白通りというルートは比較的渋滞が少ない。
5kmほど遠回りにはなるけど時間的には大きく上回る。環八沿いの抜け道もあることはあるが、狭い道とプチ渋滞の連続であり、むしろこちらの方が確実。

2:高速しか乗りたくない場合
首都高→東北自動車道→北関東自動車道(2011年3月に栃木群馬間が全通した)で高崎JCTまでスイスイ。

3:都内ですませたい場合
銀座には群馬県のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」がある。
ここへ行けば、群馬の物産から観光情報まで手に入る。