謎のアポ入りました事件と常識の壁

人間だれしもが生まれも育ちも違うのですから、お互いの感性や価値観を尊重しあうのは当然です。
だけど、これが「何が常識で何が常識でないか」という話になるとちょっと別。
自分も決して常識的な人間ではないと思いますが、その「常識」の価値観において、どこまで行っても不思議なぐらい?み合わない人というのはいるものです。

二週間ほど前のことです。
体調を崩して寝ているところをいきなり枕元の携帯に叩き起こされました。
これ自体に問題はありません。世の中は「日本時間」で朝の10時でしたから。「私時間」で明け方4時ぐらいに該当していたに過ぎません。

相手「以前〇〇の交流会でお会いした〇〇です。覚えてらっしゃいますか?」
私「(思い出すのも面倒なので)は、はい」
相手「実は....」

用件は友人が作っているクラウド型顧客管理ソフトの紹介をしたいので伺いたいという内容でした。
そのソフトがいかに素晴らしいかという話が延々と続くのですが、このあたり上の空で半分眠りながら聞いていたのは事実です。
(世界で何万社が使っているとか、国内でも有名な自動車メーカーが使っているとかそんな内容だったと思います)
とにかく「伺いたい」というので、お会いする約束をし、それをスケジュールアプリに打ち込んで、電話が切れた後は再び深い眠りについてしまったのです。

目覚めてから重要なことに気づきます。

「はて、さっきの電話は誰だったかな?」

実は肝心のトコロを全然覚えていないんです。申し訳ないけど、寝ているトコロを叩き起こされたのだから仕方ありません。

いきなり話は変わりますが、さいとうたかおの「ゴルゴ13」に「テレパス」という話があります。

事前に危険を察知することのできる超能力者を敵にまわしたゴルゴは、短期間のトレーニングで「自己の気配を消す」ということを極めてしまいます。
自己催眠の状態で一切の気配を絶ったゴルゴ。ブザーひとつで最高覚醒状態まで達して、相手への攻撃に成功するのです。

(「ゴルゴ13」203話「テレパス」より自己催眠で気配を断つゴルゴ)

自分が携帯を枕元に置いているのは「いつ何時、緊急で用件が入るかもしれない」というのがありますが、その応対においては「ゴルゴを見習おう」と半ば冗談半ば本気で考えています。爆睡状態から覚醒状態へ....でも今回は失敗に終わってしまいました。自分はまだまだです。

さて、相手が誰だかわからない電話の話を続けます。
まず履歴に残っていた電話番号(もちろん登録されていない)に2度ほど着信を入れてみました。

しかし相手は電話をとってくれませんし、その後のリターンコールもありません。

改めて思い出してみても、電話の出だしに「〇〇さんの携帯でよろしかったですか?」とか「いまお時間ありますか?」というやりとりがあったのかどうかが曖昧です。
実は何の交流会でお会いしたかという部分も曖昧なのです。

翌日も着信を入れてみましたが、お返事はありません。

そこで画像のようなショートメールも入れてみました。

これにも返事はありませんでした。

それにしても不思議なのは、この方、なぜ私の携帯番号を知っているのでしょう?
たしかに交流会などでは名刺交換をしますが、そこには携帯の番号は記載していません。

確か電話では「(ソフトを作っている)私の友人からもお会いする前に電話をいれさせます」とも言っていたはずなのですが、その電話もありません。

僕が思ったのは「これは間違い電話ではないか」というものでした。
「間違い電話なのに、話が?み合ってしまった。珍しいこともあるものだ」と思ったわけです。

(「ゴルゴ13」203話「テレパス」より瞬時に覚醒するゴルゴ)

ところが来ちゃったんですよ、この方。一週間後の約束当日になって.....

私は給与振り込みと納税で銀行へ行っていたのですが、予想外の混雑で待たされています。
予定の方は一応念頭にはありましたが、そこまでお人好しでもありません。
そこに会社から「来客あり」と電話が来たわけです。

「ひえー」と驚いたのは当然です。

そこで相手に代わってもらい、これこれこういう状況があったので、着信もショートメールも入れたこと、お返事がなかったので、間違い電話だと思っていたことを伝えました。

そうしたら「知らない人からの着信だったので出なかった」「ショートメールは読んでいなかった」とのこと。

「なぜ私の携帯をご存知なんですか?」と尋ねたら「はて、何ででしょう?」と言う始末。
今日は名刺を一枚置いてお引き取り願うよう申し上げました。

後でこの方からショートメールに「あなたの携帯番号は名刺にはなかったですが"Eight"に載っていましたよ」という文章、言外の意として「Eightに載っていたのだからかけて当然」というニュアンスを感じました。次いで「またリスケ(再度スケジュールを組むこと)お願いします」というメールも来ました。

この方が置いて行った名刺と、過去に出席した異業種交流会の記録を辿ってみたら、11月に名刺交換していることがわかりました。

しかしその時は「クラウド型顧客管理ソフト」ではなく別業種の名刺で会社名も違うものでした。短い間でしたが立ち話をした記憶があります。

このまま放置でも本当は良かったのですが、おいで頂いた事、お引き取り願ったことは事実です。

名刺に記載されたメルーアドレスあてに不在のお詫びと、勘違いした経緯を説明して送りました。

逆にこの方からどのようにお返事が来るのかも知りたかったのです。

そうしたらこの方、自分の重大なファウルには気づいていないんですね。
私も直前に確認の電話をすべきでした」という前文もそこそこに、いかに「クラウド型顧客管理ソフト」が素晴らしいかと延々と書いてくるわけです。
そして「再びお伺いしたい」との文字が。

丁重にお断りしたのは言うまでもありません。

それに対するこの方からのお返事には「私も押しつけ営業する気はない」という言葉が。
これ余計な一言ですね。随分見下げられたものです。
私を押しつけできる相手ぐらいに思っていたのでしょうか。こちらは丁寧に対応しているに過ぎないのですが…..

あのですね。EightでもFacebookでもどうでもいいんです。そこに携帯番号が(うっかり)表示されていたかもどうでもいい。
4か月前の交流会で一度だけ会った人に対して、いきなり携帯に営業電話をしてくる感覚が問題なんです。

事前の同意があるか、余程の緊急事態でもない限り、初対面に近い人へそういう電話は控えるのはビジネスの常識だと思っています。

また、人の携帯にはいきなり電話してくるのであれば、この方もいかなる着信も取るという心がけがなければフェアではありません。おそらく手あたり次第に営業電話をされていたのでしょう。

どうでもいいことですが「リスケ」っていうのは社内用語や親しい間柄で使う言葉で、営業相手に使う言葉ではないでしょう。

そもそもこの方、顧客管理ができていない。システムとしても思想としてもできていない。

しかもご自慢の「クラウド型顧客管理ソフト」ではなくEightに頼っているのは明らかです。

この方にはこの方のお考えがあっての行動だとは思いますが、これほど噛み合わない方も珍しいと思いました。

たとえそれが素晴らしいソフトだとしても、この方から買うことはない、ってことです。