大橋ジャンクションをぐるぐるぐるぐる

日曜日、杉並で行われた祖母の一周忌の法事の後、叔父夫婦を板橋まで送った帰りの話。

東京北部から首都高に乗る機会は珍しい。
だから、3月29日に開通したばかりの首都高山手トンネルの新宿→渋谷間を走ってみることにした。
別にコレが開通したからといって、個人的にはおめでたくも何ともないわけだけど、そこは「道フェチ」の宿命だ。一回あの「ぐるぐる」をやってみたかった。

というわけで首都高5号池袋線に乗った我々は、熊野町ジャンクション(以下JCT)から山手トンネルへ。
以前は西新宿JCT(4号新宿線経由で中央高速へと向かう)手前で交通が集約されるために渋滞となっていたけども、今度の延伸によって渋滞は緩和され、比較的あっさりと新区間へと突入した。

ところが1kmも走らないうちに、あっさり渋滞につかまる(画像は初台南ICの合流点。以降も同様だが撮影しているのは助手席の父だ)。

ノロノロ運転で30分も走っただろうか?渋滞の原因が判明した。

大橋JCTの手前で一旦車線が1車線になるのだ。

やがてこの標識が登場。

「方向が逆だ」と、父と僕とが同時に言う。
首都高3号渋谷線をこの位置から見た場合、右方面が用賀・東名方面、左方面が渋谷・都心環状方面になるはずなのだけど、標識では反対になっている。

いよいよ大橋JCTに到着、ここから再び2車線に。
東名高速方面は延々と渋滞の列のため、迷わずガラガラの都心環状方面を選択する。
いよいよ新東京名物「ぐるぐる」が始まった。

「ぐるぐる」

「ぐるぐる」

「ぐるぐる」

延々と続く左廻りのカーブ。建物が楕円形なのか緩急2つのカーブから構成されている。ひとときもハンドルを手放せないし、かなりの急勾配だからアクセルをずっと踏み続けになる。

山手通りのほぼ地下を走る「山手トンネル」と高架を走る「3号渋谷線」とを、狭い東京のど真ん中で接続させるために考えたのがこの「ぐるぐる」だった。国立競技場のグラウンドとほぼ同じ面積の円筒形の建物を作り、その中を2回転ループ走行することで高低差70mをクリアする。それが「大橋ジャンクション」だというわけ。

最後は右回りの急カーブとなって、3号渋谷線と合流した。先ほどの標識が方向が一見逆なのには理由があって、山手トンネルは渋谷線の北側にあるからそう感じるわけだけど、ジャンクションは南側で「ぐるぐる」やって合流するわけだから、理屈ではあっているわけだ。

(すでにこの路線を撮影した動画がたくさんUPされています。渋滞のない状態でストレスなく見れる点でこれがオススメ)

今回は「ぐるぐる」をしたかったために、わざわざ山手トンネルに突入したけど、そもそも池袋線から上りで都心部へ行くのならば、わざわざここを通る必要はない。今までどおり飯田橋経由で竹橋JCTを目指した方が、よっぽど正解だ。

そして一番の正解は首都高に乗らずに一般道を走ることかもしれない。
記念走行にも何にもならないが、山手トンネルの上にある山手通りの方がこの日はスイスイだったんじゃないかと思う。僕みたいな記念走行をするヤツがいるから、渋滞するんだという考えもあるかもしれないけど、開通から日を追うにつれて走行量というのは飛躍的に増加してゆくわけだから、むしろ開通直後の今のうちに走っておいた方が、正解だと思う。

一般道の混雑緩和については思い当たる節がある。この日、横浜から杉並へ行くのに午前中に第三京浜→目黒通り→環七を利用したのだけど、目黒通りも環七も恐ろしいぐらいガラガラで、一番のネックだった環七の大原交差点付近で渋滞や信号待ちが一切なかったのに驚いた。東戸塚の川上ICから杉並までは、法事の関係で日曜日のこの時間に何度も走行しているが、45分で杉並に到着というのは、過去最高記録だった(普通なら1時間はかかる)。山手トンネルの本当の効果というのはここにあるわけで、以前の新宿→池袋の部分開通の時のそうだったけど、下の道(山手トンネルの場合は「上の道」なわけだけど)の渋滞はどんどん緩和されていると、実感している。

元々首都高というのは、その存在自体に無理がある。「首都」で「高速」な状態など、ありえないからだ。
そんな無理の象徴というのが、このループジャンクションだろう。もう発想の無理やり感といったらない。
走っておきながら言うなよ。
今回は急坂急ループを上昇するのに使ったけど、下降ルート(東名高速方面から山手トンネルに合流するルート)は怖いだろうな。
もしトラックが横転炎上したら、車がぎっしり詰まった建物そのものが炎上することになるわけで、恐ろしいことになると思う。事故が起きないことを祈るのみだ。