わたしのしごと館

今年の8月に京都に帰省したとき、「わたしのしごと館」というステキなオシゴト体験施設に行ってきた。

この施設があるのは京都府と奈良県の県境にある精華町。大阪のベットタウンとして山やまを切り崩し、閑静な住宅街を開発中だ。とりあえず街は作ってみましたが、インフラが追いついてません的なノリ、ちょっとメインストリートをはずれれば、のどかな田園風景が広がっている。
そんな街に、パシフィコ横浜並みのゴージャス&ウンデバーな巨大施設が鎮座していた。鄙びた田舎道を歩いていたら、むこうからヴィクトリア女王の行列がゾロゾロ歩いてきたような、そんな感じ。

近未来的なエントランスから見える光景はさすがは総工費580億円というだけある。建物の向こうはかすんで見えない。

内部もこんな風に素晴らしい。

さてこの建物。「職業体験施設」というだけあって、様々な職業をシミュレートできるブースがある。電車の運転手になりたい人のためには運転シミュレーターがあるし、消防士体験では消防車に乗って火災現場への走行シミュレーションが体験できる(消火のシミュレーションはない)。他にもグラフィックデザイナー体験、アートフラワー体験、宇宙飛行士体験、ピアノ調律師体験などてんこもり。

事務職を目指す人には、下のような旅行代理店のオフィスを模した部屋もある。

子供たちは電話を取って「ハイモシモシ、お元気ですか?どちらの国に旅行ですか?」などと言ってはしゃいでいる。
娘よ、それはちょっと違うぞ。

展示施設を見てまわるのもいいが、それだけでは物足りない。
子供たちにリアルな職業体験セミナーを受けさせてやろう思った。今日は予約が多くて残り2つしか職業を選べないとのこと。ちょうどお盆の連休ということもあり、家族連れで大盛況のようだ。
お姉ちゃんは「介護福祉」の仕事に挑戦した。車椅子に義母を乗せて動かしてみたり、自分の体におもりをつけて、ご老人の動作の大変さを身をもって体験していた。
僕と次女は「ホームページ作成」に挑戦。
なぜ精華町くんだりまで来て、仕事の延長をしなけりゃならんのかわからないが、まあいいか。

子供たちは大喜びだった。
翌日も「また行きたい、また行きたい」といって親父を困らせた。

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さて....と。
12月3日、渡辺行政改革大臣は舛添厚生大臣と協議し、年間20億円の赤字を生み出すこの施設を廃止する方向で合意した。総工費580億円、年間運営費が17.6億円かかるのに対して、収入は1.1億円しかないからだという。

娘が言った。
「お父さん、”しごと館”なくなっちゃうんだってね」
「うん、1円をかせぐのに18円もお金をかけなきゃいけないんで、大臣がつぶしてしまえとカンカンなんだ」
「もう京都へ行っても、遊びにゆけないんだね」
「いずれそうなるだろうね」

娘たちよ、
「生きがい」や「やりがい」のある仕事で自己実現することはとても大切だ。だけど、年間20億円の赤字が発生するような企業に勤めたら.....
「しごと選び」にはそれを考慮することが大事だってことを、
君たちは身をもって学んだわけだ。

コメント

  1. Stephan より:

    なんか身につまされるような話ですね。
    暗くてすみませんが、私も仕事の都合で来年1月をもって、上大岡校を去ることになりました。短い間でしたが、どうもありがとうございました(すでに2008年の気分)。

  2. spiduction66 より:

    >Stephanさん
    身につまされる....というか切ない話ですね。
    その580億を職業訓練の助成などに上手に使えば、どれだけの人が助かったかわかりません。
    仕事を変えられるのですか?
    大変お世話になりました。でもあの日記を読めることを期待していますね!

  3. まさ より:

    私のしごと館は 無駄です私が失業したとき 29歳のときです 何が何でも仕事がしたい 新しいことでも何でも と 思いハローワークの紙を探しまくりました 私のしごと館!すごい名前で読みあさりました!しかし私や失業者とは何の関係もありません(>_<) これだけうたって 成人以上の人には意味がありません

  4. spiduction66 より:

    >まささん
    あれは「子供にとっての”私のしごと館”」ですからね。
    問題は費用対効果を得るために、どんな工夫を日々しているのか?というあたりではないでしょうか。